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子宮は移動するものなの?降りる理由って何?

「子宮が降りる」という言葉を聞いたことはありますか?
実は子宮は体の状態によって位置が変わる臓器なのです。
では具体的に、子宮が降りるとはどのような状態で、理由は何なのでしょうか。
ここではその秘密について解説します。
子宮イメージ

子宮は移動するって本当?

子宮は赤ちゃんを育てる大切な臓器。
女性には生理があるため、存在を意識しやすい臓器でもあります。
しかし、実は可動性に富み体の中を移動する臓器であることは意外に知られていません。

子宮に限らず、人間の臓器は他の臓器と連動したり、周囲にある筋組織に支えられることで動いています。
イメージしやすいのは肺です。
胸にある筋肉が動くことで胸の周辺にある骨格が動き、
それにつられて肺が動くことで、肺を伸び縮みさせて呼吸することができるのです。

数多くある臓器の中でも、子宮は特に可動範囲が広い臓器です。
子宮は骨盤腔内のほぼ真ん中に位置していますが、しっかりと固定されていません。
膀胱におしっこが貯まれば後ろに傾き、直腸に便が貯まれば反対に前に傾きます。
それだけでなく体勢を変えるだけでも移動することが分かっているのです。

子宮が降りるタイミングって?

女性によっては性交渉中にパートナーの指摘によって、
子宮が下がっていることに気が付いたことがある人もいます。
子宮が降りるのは、女性の生理周期と深い関係があるのです。

子宮が降りるタイミングとして、まず排卵期が挙げられます。
排卵とは、成熟した卵胞が裂けて卵子を放出すること。
飛び出した卵子は卵管采から取り込まれ、卵管を通って子宮へと到達することになります。
排卵が起こるのは、生理から次の生理が起こるまでのちょうど中間くらいです。
このタイミングになると子宮が下がり、中には自分の指を膣の奥に差し込んで位置を確認できる人もいます。
子宮の入り口である子宮口は柔らかくなり、開いた状態へと変化していきます。

排卵期に降りた子宮は、生理直前になっても降りたままです。
これは生理が始まってからも変わりません。
ただ子宮口は生理前に一度固くなり、また柔らかい状態へと変化します。
生理が終了すると、次の排卵まで子宮の位置は高くなり、指を入れても触れない状態になります。
柔らかさもなくなり、生理最終日を境に子宮口は閉じた状態になるのです。

意外にも降りた状態が長く続く子宮。
排卵を境に位置が変わると考えてもいいかもしれません。
妊娠を望む女性の中には、自分で子宮の位置や状態を触診し、
妊娠しやすい状態になっているか確認する人もいます。
基礎体温を測るよりも正確に妊娠しやすい方法が分かると注目を集めていますが、
この方法はデリケートな子宮を自分で直接触らなければなりません。
万が一傷つけては感染症のリスクが発生するため、無理して実行するのは禁物です。

子宮口が降りる理由とは一体?

子宮の位置が降りる理由は、現代の医学では解明されていません。

有力な説として、まず不要になった子宮内膜を排出しやすくするためだと考えられています。
女性の体は、妊娠に備えて周期的に子宮内膜を厚くします。
しかし妊娠が起こらないと、子宮内膜は剥がれて外に排出されることになります。
これが生理です。
子宮が生理の間降りた状態を維持するのは、子宮内膜をスムーズに外に出そうとしているのではと考えられています。

考えられるもう1つの理由は、精子が入ってきたときに子宮の奥へと誘導し、
妊娠しやすい状態にするためだというものです。
子宮が降りる生理前は、一番妊娠しやすいタイミングなのです。

ただし統計を取ったり、正式な研究によって出た仮説ではないため、
人体の不思議の1つと考えられているのが実情です。

子宮の位置で妊娠はわかる?

子宮の位置が変わるのは、生理周期だけが理由ではありません。
妊娠しているかどうかによっても、位置が変わるのです。

妊娠していない女性の場合、排卵が起こり生理が近付くにつれて子宮が降りてきます。
おりものは粘着性が強く、卵白のような物質が混じっていることもあります。

これが妊娠している女性の場合、生理の予定日がやってきても
子宮は降りることなく上った状態のままになります。
指を入れても届きません。
また、妊娠していない場合生理前になると子宮口は固くなりますが、
妊娠していると柔らかくふっくらとした感触になります。
おりものの状態も粘着性の弱いサラサラとしたものになったり、色が濃くなったりします。
分泌量自体も増えるのが特徴です。

予定日になっても生理が来ないと妊娠を予感しますが、
子宮の状態によっても妊娠しているかどうかを推察することが可能です。

注意したい子宮の位置

そもそも子宮は可動範囲が広く動くものですが、可動範囲を超えてしまう場合は注意が必要です。
正常な範囲を超えて下がってしまったり、傾きに異常がある場合は子宮の位置異常である可能性があります。

子宮の位置異常には子宮後屈、子宮下垂、子宮脱といった種類があります。

子宮後屈とは、子宮が背中側に向って傾いている状態のことです。
子宮の傾きには個人差があるため、生まれつきそうなっている人も多くいるようです。
子宮後屈自体は特に治療する必要はないのですが、
病気が原因で後屈している場合はその病気を治すために手術などの治療が必要になる場合があります。

子宮下垂とは、子宮を支えている靭帯や筋肉が緩み、子宮が正常な位置よりも下がる状態を言います。
子宮の入り口部分である子宮頚部が膣入口部を超えていない状態が子宮下垂、超えてしまったもの子宮脱です。
子宮下垂であれば違和感や圧迫感といった症状ですが、
子宮脱では外陰部の異物感や、脱出してしまった粘膜に潰瘍やびらんが生じることがあります。
膀胱もいっしょに落ちてしまい尿失禁や排尿困難といった症状が表れることもあるため、治療が必要になります。

子宮の位置に問題があった場合の治療法

子宮下垂や子宮脱になって治療が必要になった場合、
保存的治療と手術的治療のどちらかを選択することになります。

保存的治療には骨盤底筋体操やフェミクッション、ペッサリー療法などがあります。

骨盤底筋体操、別名骨盤トレーニングは、
緩んでしまった骨盤底筋を鍛える体操を行い子宮が下がりすぎるのを食い止める治療法です。
劇的に良くなる訳ではないものの、継続することで症状の改善を期待することができます。

フェミクッションとは、性器脱や骨盤臓器脱の治療のために作られたサポートアイテムです。
下着のように着用することで骨盤を外部から圧迫し、下垂を食い止めます。
フェミクッションは通信販売などでも購入できるので、誰にも知られず治したいという人に向いている治療法です。

ペッサリー療法は、ペッサリーと呼ばれるリングを膣内に挿入する治療方法です。
下がる子宮を下から支える役割を果たしてくれます。

手術的治療にはル・フォール手術、子宮摘出術、膣前壁形成、メッシュ手術といった方法があります。

ル・フォール手術では、膣壁を子宮の壁に癒着させることで、子宮を温存したまま根本的な治癒を目指します。

子宮摘出術は、文字通り下がってきた子宮を摘出する手術、
膣前壁形成は伸びた膣の一部を切除して縫合、縮めることで靭帯に固定する手術です。
日常生活が困難になるほど症状が酷い場合に行われますが、当然今後妊娠することはできなくなります。

メッシュ手術とは、合成繊維で作られたメッシュを使って緩んだ靭帯を補強する手術です。
従来の手術に比べて再発率の低さなどのメリットが多く、注目されている治療方法です。

子宮の形にも要注意!

生理前ではないのに子宮が本来の位置から降りてくる。
そんな症状の他に、子宮の形そのものに異常が生じるケースもあります。

正常な子宮と比較して、形が変化していたり、一部が欠けていたりすることを子宮奇形といいます。
決して珍しいものではなく、一般女性の数パーセントはこの子宮奇形であるという統計結果も報告されているようです。
子宮奇形が発生する理由は、胎児期のごく初期に作られるミュラー管にあります。
左右に1つずつあるこのミュラー管が、卵管や子宮といった女性器の元になるのですが、
形成途中融合が上手くいかなかったり、途中で発達が止まってしまうことで子宮の変形を起こすのです。

子宮は洋ナシ形をしており、上から底部、体部、頸部の3部分に分けることができます。
体部は卵管に通じ、頸部は膣に通じているのが特徴です。
この基本的な形から外れてしまったものが子宮奇形となります。

子宮奇形には様々な種類があります。
例えば単角子宮という種類。
これは子宮の形成が未完成であったり、子宮が片側だけしかなく半分程度の大きさしかない物を言います。
重複子宮は独立した子宮、子宮口、膣が2つずつ存在している状態のことです。
中隔子宮は一見正常な形をしているのですが、子宮の内腔に中隔と呼ばれる壁ができています。

子宮奇形は、不妊や不育症、流産や早産を起こしやすいと言われています。
しかしこれは全ての場合に当てはまる訳ではなく、問題なく妊娠出産するケースも多くあります。
仮に治療するとなると手術を受けることになるため、医師やパートナーとしっかり相談し、
今後の生活も考えた上で選択することが大切になります。

生理周期と深い関わりがある!

子宮は数多くある臓器の中でも特に広い可動範囲を持つ臓器です。

子宮が降りてくるのは、妊娠をスムーズにするために女性の体に備わった機能の一つということができます。
そのため、子宮の位置や形に問題がないのであれば、深く気にすることなく過ごしていけばいいでしょう。

反面、この可動範囲から外れた動きや形の異常はトラブルを引き起こす可能性もあるため、
必要に応じて産婦人科などを受診し、健康リスクに備える必要があります。

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