出産時の痛みを少しでも軽減できたらいいですよね。
これから、陣痛の特徴や痛みを軽減する方法についてご紹介します。
また、無痛分娩のご説明もしますので、参考にしてみてください。
出産はどれくらい痛いの?
出産をする時には、陣痛を経てから赤ちゃんが出てきます。
陣痛の痛みは人それぞれですが、世間的には「鼻からスイカが出るぐらい痛い」などと表現されることが多いです。
つまり、想像できないほどの痛みを表現しているでしょう。
実際の痛みには個人差があり「鼻からスイカ」のように痛みを感じる人もいれば、
便秘の痛みと同じぐらいに感じる人もいます。
陣痛が始まった時は、生理痛やお腹を下す時の痛みに似ていることが特徴です。
子宮口が開いてくると、痛みが急に激しくなります。
子宮口のほとんどが開いた時は、外陰部から肛門周辺の痛みが強くなり、腰周辺の痛みも強いです。
陣痛や出産に痛みを感じない人もいる?
自然分娩の時は、ほとんどの人が陣痛を感じます。
陣痛は子宮口を開いて、赤ちゃんを外へ押し出すという働きがあるため必要なものです。
陣痛が弱いと赤ちゃんは出てこないため、出産時間が長引く場合や吸引分娩をすることがあります。
よって、出産における陣痛は重要でしょう。
適度に痛みを感じることで、安産にもなります。
自然分娩の時に全く痛みを感じないというケースは、非常に稀です。
しかし、陣痛には個人差があるので、ほとんど痛みを感じなかったという人もいます。
出産が痛くないのはどんな人なのか
出産が痛くないと感じる人とは、「元から痛みに強い」「リラックスしている」「呼吸法が上手」「胎話している」です。
味覚などの感覚に個人差があるように、痛みに関する痛覚にも個人差があります。
リラックスしていると、自然と体の力を上手に抜いて痛みを分散させることができます。
子宮は筋肉なので、緊張すると硬直してしまいます。
緊張している状態では、子宮口がなかなか開かずに出産は進みません。
リラックスしていると、体に余計な力が入らないので痛みを感じにくくします。
陣痛での痛み軽減やいきみ逃しには適した呼吸法があり、それが上手にできている時も痛みを感じいくいです。
呼吸法は日頃からトレーニングしておくといいでしょう。
また、出産時に助産師や医師のアドバイスを聞くのも大切です。
「力を抜きましょう」「いきみましょう」などの指示に合わせた行動をすることで、余計な痛みを感じにくくします。
胎話とは、赤ちゃんの気持ちを考えて心を通わせることです。
出産時に痛みを感じていても、胎話をしている人は
「赤ちゃんも痛い・頑張っている」などと感じて、前向きで冷静な気持ちになります。
それが、リラックスや上手な呼吸法につながれば、痛みは感じにくいでしょう。
経産婦の出産は痛みを感じにくい?
自然分娩の場合、経産婦の方が痛みを感じにくいと言われています。
一般的には、経産婦の方が分娩時に掛かる時間は短いです。
出産経験があるため、子宮口が開くまでの時間は短く、いきみ方なども経験しています。
陣痛時間も短い傾向があるので、初産の人よりは痛みを感じにくいでしょう。
しかし、陣痛の時間や痛みの感じ方には、個人差があります。
経産婦で分娩時間が長い人もいれば、初産であっという間に生まれる人もいるでしょう。
初産よりも経産婦は痛みを感じにくい傾向にありますが、人それぞれです。
痛みを感じないようにするための対策
出産の痛みを感じにくくする方法として、
「姿勢を楽にする」「自分の呼吸に集中する」「体を温める」「いきみ逃し」
「陣痛促進のツボを押す」「パートナーなどの手を握る」「テニスボールやゴルフボールを握る」
などがあります。
陣痛を感じている時は、自分が楽と感じる姿勢で構いません。
子宮口が全開してからは、出産に適した姿勢となりますが、それまでは楽な姿勢で大丈夫です。
姿勢次第で、痛みを軽減できることがあります。
呼吸に集中する時は、吐く息の方を意識するといいでしょう。
吐く息を深くすれば、自然と空気をたくさん吸えるので、リラックスできます。
呼吸に集中して自律神経が整えば、リラックスや痛み軽減に繋がるでしょう。
体を温めると血液循環がよくなり、子宮の筋肉にも酸素の供給ができます。
子宮の筋肉がほぐれると、子宮収縮も順調に進むという特徴があります。
温かさでリラックスもでき、陣痛を感じる時間を短くしてくれます。
陣痛の促進や痛みの緩和には、「三陰交」というツボ押しが効果的です。
足の内側にあるくるぶし頂点から指4本分のところにあります。
ゆっくり息を吐いた時に押し、息を吸いながら離す方法がいいでしょう。
それを繰り返すことで、ツボ押しの効果が出ます。
パートナーなどの手を握ることやボールを活用することで、上手ないきみ逃しが可能です。
硬いものや何かを握ることで、過剰に入った力を逃して、痛みを軽減します。
出産が痛くなくなる呼吸法って?
出産時の痛みを軽減する呼吸法とは「ラマーズ法」です。
まず、陣痛が強くなったと感じたら、鼻から2秒ほど空気を吸い、2秒で口から吐きます。
その時に、息を出すことを意識するようにしましょう。
痛みのピークが過ぎると、呼吸法はゆっくりにします。
子宮口が開いて陣痛が強くなった時は、「ヒッヒッフー」と言いながらリズムよく呼吸を繰り返す方法です。
最初の「ヒッヒッ」で短い息を吐き、「フー」で長く吐きます。
この呼吸法をすれば、痛みを軽減するだけでなく、体の力を抜くことが可能です。
よって、赤ちゃんにしっかりと酸素を届けられます。
「ソフロロジー」というイメージトレーニングも大切です。
これは、出産などで前向きになるイメージトレーニングのことをいいます。
陣痛を「怖い・痛い」と感じるのではなく、「赤ちゃんに会える・嬉しい」などと考える方法です。
このイメージトレーニングをすることで、心と体がリラックスして痛みを軽減してくれます。
最終手段は無痛分娩!
少しでも出産時の痛みを軽減したい時には、麻酔を使った「無痛分娩」という方法があります。
無痛分娩は子宮口が開くまでは、麻酔が使えません。
子宮口が開いて出産可能な状態になると、麻酔で痛みをなくす方法です。
出産には、陣痛以外にも膣が拡がる痛みや会陰の痛み、肛門が圧迫される痛みなどを感じます。
無痛分娩では、この痛みを総合的に軽減できるでしょう。
無痛分娩の鎮静方法は「硬膜外麻酔」「静脈点滴」の2種類です。
一般的には硬膜外麻酔を行います。
背中の腰付近に痛み止め注射をし、硬膜外腔へカテーテルを入れてから麻酔薬を注入する方法です。
静脈点滴は、硬膜外麻酔が使えない場合に適用されます。
医療用麻薬などの痛み止めを静脈の中に入れる方法です。
無痛分娩のメリットは、痛みが少ないことでしょう。
痛みを感じる時間やストレスが少ないため、体力消費も少なくなります。
よって、産後の回復を早めることが可能です。
また、副交感神経を優位にするので、産道が拡がりやすく出産までの時間を少なくできます。
お腹の張りは感じるので、陣痛が起きているタイミングは分かるでしょう。
つまり、無痛であっても、自分でいきむことが可能です。
しかし、微弱陣痛などで陣痛が弱まることもあります。
陣痛が弱くなった時は、陣痛促進剤の使用や吸引分娩の可能性が高まるので、注意が必要です。
無痛分娩は全ての妊婦に適用できるわけではありません。
血が止まりにくい人や背骨の変形がある人、神経の病気を持っている人などは無痛分娩の適用外です。
妊娠高血圧症候群の人や疲労・ストレスを感じやすい人などは、無痛分娩を勧められることもあります。
特に妊娠高血圧症候群の場合、痛みで血圧が上がってしまうのは、母体と赤ちゃんにとって危険なことです。
そこで、無痛分娩にして痛みやストレスを軽減しながら出産するのが推奨されています。
無痛分娩をする時は、事前に出産予定日を決める場合と自然な陣痛を経てから行う時があります。
事前に出産予定日を決めるケースでは、家族の都合や妊婦の体調で日程を決めることが可能です。
しかし、決めた日よりも早く陣痛がきた時や破水した時は、計画的な無痛分娩をすることはできません。
決めた出産日の前日に入院し、ノンストレステストや超音波検査を行います。
子宮口にバルーンと呼ばれる子宮口を拡げるものを入れ、陣痛促進剤の点滴によって誘発する方法です。
子宮口が開いていることを確認し、麻酔をします。
最終的には、出産の進み具合を見ながら麻酔を調整していくことが必要です。
自然陣痛を待つケースでは、陣痛が始まってから入院します。
子宮口が自然に開いたことを確認してから、麻酔をする方法です。
麻酔を開始するまでは通常の分娩と同じなので、陣痛の痛みを感じるでしょう。
出産時前後の痛みのみ、なくすことができます。
対策して痛みを和らげよう!
出産で完全に痛みをなくすことはできませんが、痛みを軽減する方法はたくさんあります。
例えば、呼吸法などを意識すれば、少しでも痛みを和らげることができるでしょう。
体を温めたりツボを押したりすることも効果的です。
痛みを逃すために、ゴルフボールなどのアイテムを使う場合もあります。
痛みを軽減する方法を知っていれば、出産時に役立つでしょう。
痛みに耐えられない時は、無痛分娩の選択もできます。
無痛分娩は、痛みを感じにくくし疲労も少なくなるので、体力回復を早めてくれる方法です。
しかし、注意点もあるので、よく理解してから選択してください。
これを参考に、出産時の痛みを少しでも和らげてみましょう。