安産祈願は気軽に行けるというイメージがあるかもしれませんが、
神社に安産のお願いに伺うわけですから服装などマナーは守る必要があります。
それでは、安産祈願ならではの服装のマナーをチェックしていきましょう。
どんな服装でもいいわけではないの？
安産祈願は本来、安定期を迎えた妊娠５ヵ月目から数えて最初の戌の日にお参りをします。
なぜ戌の日かというと、犬は一度にたくさんの子を産み、さらに安産だからだと言われています。
そんな戌の日に赤ちゃんが無事に産まれてくることを願い安産祈願を行うようになったのです。
現在では、仕事の都合などで５ヵ月目の最初の戌の日にお参りすることが難しい人もおり、
安定期に入ってから体調や都合の良い戌の日を選んでお参りする人が増えています。
もっと言えば、戌の日に安産祈願にどうしても行けないという人ももちろんいることでしょう。
なので、多くの神社では戌の日以外でも安産祈願の祈祷をしてくれます。
そういう意味では安産祈願は行きたい時にいつでも行ける気軽な行事と思われがちかもしれません。
しかし、安産祈願は神社に行き祈祷を受けたり、
腹帯を受け取ったりする「帯祝い」という伝統的な行事であることに変わりはありません。
そのため、どのような服装でお参りをしても問題がないわけではありません。
伝統的な行事であることや神前であることを意識しましょう。
フォーマルじゃなくてもいい？
どのような服装でお参りをしても問題が無いわけではありませんが、フォーマルな服装で行く必要もありません。
神社へ行き安産祈願をしてもらうことからフォーマルな服装で行く必要があると考えている人もいますが、
特にそこまでかしこまらなくても大丈夫です。
もちろんどんな服装でもいいわけではありませんが、安定期とはいえ妊娠している身体です。
あまりかっちりとし過ぎるフォーマルな服を着て行って、
祈祷を受けている最中に気分が悪くなったりして体調を崩してしまっては大変です。
ですから、普段着ているような衣服やマタニティウェアでお参りに行ったとしても、
神社の方や周りの方に特に何かを言われたりすることはありません。
ある程度きちんとしていて、その場にあった服装でお参りへ行くようにすれば
フォーマルな服装でなくても問題はありません。
腹帯は巻いて行ったほうがいいのか
安産祈願とは「帯祝い」でもあるので必ず必要となるのが「腹帯」です。
この腹帯の扱いについては神社やお寺の風習や方針によってそれぞれ異なります。
巻いてからお参りする場合や、巻かずに持参したりその場で購入する場合など様々です。
事前に巻いて行く場合は、夫や実母（義母）など誰が巻くのかという決まりもあります。
お参り先が決まったら、その神社のホームページを見たり、
直接電話をして確認するようにして、その指示に従うようにしましょう。
神社で購入するのは昔ながらの白いさらしのような腹帯が多いですが、
現在は腹巻のように気軽に付けられる腹帯がマタニティ用品のお店で売られています。
さらしタイプは巻くのが大変ですし、安産祈願の日のみに使用して、
後は腹巻タイプの腹帯を使っていたという妊婦さんもいます。
しかし、せっかくなら出産まで祈祷してもらった腹帯を使いたいものです。
ですので、こういった腹巻タイプの腹帯でも構わないかも確認しておくと、
祈祷後腹巻タイプに買い替える必要も無くなります。
安産祈願に向けた腹帯の巻き方は？
さらしタイプの腹帯を巻いて参加する安産祈願だった場合のために、
腹帯の巻き方についても説明しておきます。
上手に巻くためにはコツがいります。
安産祈願の日に初めて巻いてもなかなか上手く行かないことがあります。
なので、安産祈願の前から腹帯を巻く練習をしておくことをおすすめします。
- 帯を開いて縦に半分折りにする
- 帯を巻き直す（お腹に巻きやすくするため）
- 折り目を下にし、帯の端をお腹の前にあてて包帯を巻くように一周させる
- 体の中央で帯を上方向に折り曲げ、そのまま背中側へと回す
- 巻くたびに折り返す
- 巻き始めの帯の端を巻き込みながら少しずつ上にずらしながら数回巻く
- 最後に布地を三角に折り、帯の上部に挟み込む
巻くときはあまりきつく巻き過ぎないように注意してください。
苦しくなって、体調不良を引き起こす原因になってしまいます。
夫や実母（義母）に巻いてもらう場合にも事前に練習をしておいてもらいましょう。
自分で巻くよりも巻き具合の調節がしにくいので、
すこしでも苦しかったり、苦しくなりそうな場合は、ちゃんとその旨を伝えて巻き直してもらって下さい。
服装を決めるときの注意点
服装を選ぶ際に最も重視すべきはお腹がきつくならないように注意することです。
腹帯を巻くときもきつくならないように注意しましょう。
お腹が圧迫されると妊婦さん自身はもちろんのこと、お腹の中の赤ちゃんも苦しい思いをしてしまいます。
さらに、神社にもよりますが参拝者が多い場合は複数の人と同時に祈祷が行われるため、
長時間座っていなければならない場合もあります。
そうすると、お腹がきつい服だと体調が悪くなってしまうこともあるので、
きつくならない少しゆったりとした服を選ぶようにしましょう。
ワンピースなどお腹部分の締め付けが無いような服を選びましょう。
ヒールのないパンプスなどを合わせれば、フォーマルでなくても安産祈願にふさわしい服装になります。
実際、安産祈願に行ってみるとワンピース姿の妊婦さんが多く見られることでしょう。
ワンピースはフォーマル過ぎずラフ過ぎずなので、一番安産祈願に合っている服装かもしれません。
お腹周りの締め付けが無いのでお腹が出始めている妊婦さんも楽に着ることができます。
万が一、上の子などにまだ授乳をしていてワンピースを着られないという場合には、
ウエスト部分がゴムになっていたりゆとりのある服にしましょう。
ワンピースのように見えるセットアップの服を選ぶといいです。
最近ではマタニティウェアもお洒落になってきていて、様々な種類があります。
なので、普段から使えるけれど、少しフォーマル感のあるマタニティウェアもおすすめです。
寒い時期にはジャケットやカーディガンなどを羽織る様にしましょう。
フォーマルを意識しすぎて、身体を冷やさないように気を付けて下さい。
フォーマルさよりも妊婦さんの身体とお腹の赤ちゃんが第一です。
安産祈願にはNGな服装
安産祈願に行く場合は普段着でも構いませんが、
神社にそぐわないあまりにもラフすぎる格好は避けるようにしましょう。
例えば、穴あきデニムや飾りがたくさんついた上着などといっただらしなく見える服装は避けるようにします。
楽だからといってスウェットやジャージを着たり、
襟ぐりの大きく開いた服やミニスカートやショートパンツなどの露出が多い服なども避けて下さい。
過度にアクセサリーなどを付けるのもやめておきましょう。
安産祈願では普段とは違う慣れない場所に行きます。
さらに、神社には長い階段や坂を上らなければならなかったり、足元が砂利だったりするところも多くあります。
たとえ低いヒールでも万が一と言うことがありますので、
ヒールのある靴は避けてヒールのないペタンコ靴を選ぶようにしましょう。
パパが着た方が良い服装は？
男性の場合でも女性と同様でフォーマルにこだわる必要はありません。
しかしアロハシャツやハーフパンツ、サンダルと言ったあまりに神社にそぐわない恰好は避けるようにしましょう。
もちろんスウェットやジャージも避けます。
男性の場合は実際に妊娠しているわけでもありませんので、
服装選択に迷った場合はスーツを着用してフォーマルな格好で参加してもいいかもしれません。
ただし、奥さんとのバランスが悪くなってしまう可能性があるので、2人そろってもバランスが取れているか確認しましょう。
奥さんが清楚系のワンピースを着用していればスーツでも全く問題ありません。
お腹を痛めて出産をすることのない男性にとっては、
こういったお腹の中の赤ちゃんのための行事１つでも父親になるために重要になります。
そのために、男性の場合はスーツを着て安産祈願に行くと、
背筋が伸びて親になるんだという気持ちもより一層増すかもしれません。
スーツではやはり堅すぎるし、奥さんとのバランスが取れないという場合は、
ジャケットとスラックスやチノパンツなどがラフ過ぎずカッチリし過ぎずでおすすめです。
ラフになり過ぎなければ大丈夫！
ここまで、安産祈願の服装について説明しました。
あまりにラフになり過ぎることがなければ、基本的にはそこまで服装を気にする必要はありませんし、
フォーマルな服装を選ぶ必要もありません。
赤ちゃんが無事に産まれてきますようにと祈る戌の日の安産祈願は特別で大切な行事です。
主役は出産をする妊婦さんとお腹の中の赤ちゃんです。
だからこそ、一番大切なのは妊婦さん自身とお腹の中の赤ちゃんが苦しくならずに安産祈願に行けることです。
まずは苦しくならない服装を選んで、その中からよりフォーマルに近い服装を選びましょう。
神社やお寺は空調がしっかりとしておらず、暑すぎたり寒すぎたりする場合もあります。
そういった場合のために上に羽織れるカーディガンやストールなどがあるといいです。
妊娠中に身体を冷やすのはご法度ですので、
秋から春にかけて安産祈願に行かれる方は、防寒対策をしっかりとして出かけて下さい。
最後になりますが、妊婦さん自身が楽に過ごすことが出来るTPOに合った服装で、
妊娠中の今しかできない、お腹の赤ちゃんとの行事を楽しんで下さいね。
