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産後はいつからお風呂OK?入浴やシャワーのポイント

出産を終えた女性の体には大きな負担がかかっています。
産後は体を回復させる大切な時期で、気をつけなければいけないことがいくつかあるのです。
特に、産後すぐに入浴することは体に良くないとされています。
なぜ、産後の入浴が良くないのかその理由を紹介しましょう。
入浴中の女性

産後すぐのお風呂がNGな理由

出産をした女性の体はすぐに元通りに戻るわけではなく、時間をかけてゆっくり妊娠前の体に戻っていきます。
例えば、子宮内の赤ちゃんの成長に合わせて徐々に大きく変化していった子宮が元に戻るのも、
時間をかけて徐々に戻っていくのです。
子宮が出産前の元の大きさに戻ることを子宮復古と言い、約1ヶ月半ほどかかると言われています。
子宮復古の過程では、悪露(おろ)と言われる、胎盤が剥がれたところからの出血や分泌物が
生理に似た感じで出続ける
ことになるのです。

入浴は体力を消耗するため、出産で疲れた体にさらにダメージを与えてしまうリスクがあります。

また、湿気が多い浴室は、カビが生えやすく雑菌も多いと言われています。
雑菌は水分があれば増殖できるため、浴槽をどんなに清潔にしていても細菌や雑菌が潜んでいる可能性があるのです。
体調が万全であれば問題がない湯船でも、出産後は体力を消耗していることや、
自然分娩の場合は、しばらくの間子宮口が開いた状態なので、
湯船に浸かると子宮口から細菌や雑菌が体内に入り込んで感染症を起こす可能性があります。
帝王切開をした場合も、傷口から細菌に感染する可能性があるので、
産後は湯船に浸かる入浴は避けたほうが良いと言われているのです。

いつから入浴が可能?

一般的には、産後3週間から4週間ほどで子宮口が閉じると言われています。
子宮口が閉じれば感染の心配が減ることから、この時期から湯船に浸かる入浴を開始しても良いとされているのです。
また、悪露が出ることは出産後の子宮の回復と密接な関係性があります。
出産直後の悪露は子宮内の出血が多いことから鮮血となりますが、
産後1週間を過ぎると子宮内の出血も治まってきて、悪露の色は茶褐色に変化します。
産後2〜3週間経つ頃には、子宮内膜が再生してきて出血がほとんどなくなるのです。
そして、それに伴って悪露の色も茶褐色から黄色っぽい色へと変化し、
産後4週目以降には、子宮口が閉じるため、悪露はほとんどなくなります。
悪露の量が少なくなったら入浴を再開していい目安です。
個人差があるため、ほとんどなくなる人もいますが、悪露が白っぽい色に変化する場合もあります。
産後5週目に入ると悪露はなくなるのが一般的です。

ただ、病院によっては、湯船に浸かる入浴開始時期を指定される場合があるので、
指定された場合は病院の指示に従うようにしてください。
また、1ヶ月検診の時には赤ちゃんだけでなく母体の回復も診てもらえるため、
その時に湯船に浸かる入浴が可能か確認するとより安心できます。

入浴する際に気をつけること

湯船に浸かる入浴ができるようになっても、体が完全に回復しているかどうかは分からないため、油断はできません。

入浴するときには、雑菌による感染リスクを下げるため、
浴槽内はきれいに洗い、できれば一番風呂で綺麗なお湯で入浴することが大切です。

長く湯船に浸かったり、熱めのお湯での入浴も避けたほうが良いと言われています。
体が温まりすぎることで悪露が復活したり、体が疲れる原因にもなるからです。

また、出産によって骨盤も広がっており、骨盤は産後6ヶ月ほど時間をかけて閉じていきます。
骨盤の広がりによって、入浴をしたときに膣からお湯漏れが起こることがあるのですが、
お湯漏れの原因は骨盤の広がりだけでなく、膣口の広がりや膣の筋肉の緩みが原因となっていることもあります。
お湯漏れによって膣内で細菌が増殖してしまうと子宮内感染症のリスクも高くなるので、注意が必要です。

膣内に入ったお湯はお風呂場でスクワットのようにかがむことでお湯が排出されたり、
脱衣所で足の間また付近にバスタオルを挟んで締め付けることで排出されるので、
膣に入ってしまったお湯は出すようにすることも大切です。

産後すぐのシャワーはあり?

産後は湯船に浸からずにシャワーで済ませますが、シャワーを浴びることには医師の許可が必要です。

病院によってシャワーの許可は異なるようで、出産翌日からシャワーを浴びても良いと言われる病院もあれば、
1週間後と言われる場合もあります。
出産2〜3日後からシャワーを浴びても良いという指導をする病院が一番多いようです。

そして、産後にシャワーを浴びるときにも体が元通りではないため、注意が必要です。
熱いお湯は貧血を起こしやすいため、シャワーを浴びるだけでもぬるめの温度で浴びるようにします。
また、体力を消耗させないために、シャワー時間はできるだけ短くするように気をつけることも大切です。

寒い季節はシャワーを浴びるだけでは体を冷やしてしまう恐れがありますが、
冷えは体力の回復を遅らせたり、血行が悪くなるため、浴室や脱衣所は暖かくしてからシャワーを浴びましょう。

出産後は肌も弱っているため、水圧は弱めに設定してシャワーを浴びると良いと言われています。
水圧を弱めておけば肌だけでなく、傷口を刺激する可能性も低くなります。
肌が敏感になっているため、シャンプーやボディソープはしっかりと泡立ててから体を洗い、洗い残しがないようにしてください。

お風呂に入れないときの対策

寒い時期に出産した人などは、シャワーだけでは体が温まらないと感じる人もいます。
体の冷えは、体力の回復を遅らせたり、血行を悪くするだけでなく、
母乳も出にくくしてしまうので、体を冷やさないようにすることが大切なのです。

また、出産直後は体が疲れているため、「湯船に浸かってリラックスしたい」と感じる人も多いですが、
どんなに体が疲れていても、冷えていても、出産後に湯船に浸かることは、
雑菌や細菌が体内に入るリスクが高まるため、危険です。

体が冷えていると感じたときには湯船に浸かる代わりに、足湯をすれば体の冷えが解消されます。
足湯は膣内から雑菌が入り込むことが無いので出産直後でも問題ありません。
浴室内で洗面器などにお湯をはり、椅子に座って足をお湯に浸けているだけで体が温まります。
冬の寒い時期には、食べたあとのみかんの皮などをお湯にいれると
アロマテラピーの効果で疲れが癒されたり、保温効果もあるとされています。

足湯の後は、全身から汗が出ることもありますが、
汗や濡れた足はしっかり拭いて暖かい格好で体を冷やさないようにすることも大切です。

体調や悪露の状態を見て判断を!

一般的に湯船に浸かって入浴ができるようになるには産後3〜4週間と言われていますが、
これはあくまで目安であり、産後の回復は個人によって異なります。
子宮の回復具合は悪露の状態によって分かるため、悪露の色をよく見ておくことが大切です。

また、入浴をすると体力を消耗させるため、自分の体調と相談することも必要です。

自己判断は誤っている場合もあるため、病院から湯船に浸かっても良い時期の指導があった場合には、病院の指示を守り、
1ヶ月検診で湯船に浸かっても良いかどうかを医師に確認してからお風呂に入るようにしましょう。

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